HTML

組立通信 Contents Site

アウトドアコラム●ダッチオーブン

ローレン、ローレン、ローレン~♪


 アメリカの西部開拓時代、カウボーイが旅の必需品として使っていた鋳鉄製の調理器具がダッチオーブン
 煮る、炊く、妙める、焼く、蒸す、揚げる……。いろんな調理法に使えるアウトドア向けの万能調理グッズとして、その愛好者が増えています。単なる調理器具としてだけでなく、存在そのものがキャンプライフを盛り上げてくれる重要アイテム。もう、これさえあれば気分は「ローハイド」のウイッシュボーンなのです。

何はともあれ、火をおこせ!

アウトドア用品は、レジャー化が進むとともに「より便利に、より快適に」と目ざましい進化を遂げてきました。ダッチオーブンは2000年ごろに日本に登場し「万能調理器具」をうたうことからさぞかし便利な調理器具だろうと思う人もいるでしょう。しかーし! これをある面裏切り、真逆を行くのがダッチオープンの面白さ。
 とにかく、重く、デカい。調理中は皮手袋や器具がなければ触ることもできません。「ならし」が要るため買ってすぐには使えませんし、メンテナンスを怠ればすぐに錆びてしまいます。原則、焚き火や炭火で使うため、お手軽な野外用コンロには不向き。料理をするには、何よりもまず火をおこすことからスタートです。
 ダッチオープンは標準タイプの12インチで厚さ8cm 重さ約10kg。このぶ厚い鋳鉄と独特の形状が「万能調理器具」としての真価を発揮するところ。蓄熱量が多く保温性に優れているので全体を包むように熱が行きわたります。

熱を蓄えてムラなく調理

煮ものはじっくり均一に火が通り、揚げ物は油温が下がりにくいためカラッと揚がります。蓋が重く機密性が高くいので、圧力がかって素材が芯まで柔らかくなり旨味もしっかり。蓋はステーキやお好み焼き、パンケーキなど鉄板料理にも使います。何と言っても上下から加熱するオーブン調理はお手のもの。丸ごとー羽を使ったローストチキンはダッチオープンならではのメニューです。
 慣れるまで時間と手聞が大変かかるものの、じゃじゃ馬もダッチオーブンも手なずけるのがカウボーイ。もうこれで「猫も杓子もバーベキュー」というアウトドア料理の固定観念とはおさらばです。

(了)

文:福信行(フードノベリスト/組立通信)
※このコラムは情報誌に掲載したものです。