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パリの空の下、カフェでお茶、する?

パリの街は、見上げれば、本当に美しい。
建物と木と空、どこを切り取っても、実に絵になる。




…でも、ぼんやり歩いてると「突然の不幸」に見舞われる。
下を見れば、ポイ捨て、吸い殻、犬のフンだらけだ。
パリに来るまでは、雑誌やテレビでよく目にするように
「カフェで道行く人を見ながらお茶」が目的のひとつだったのに、
石畳に投げ捨てられたもの、近くの軒先に置かれた大きなゴミ箱、
煙草の煙、そして猛烈な排気ガスが気になって、
テラス席には座る気にもならなかった。
店内はというと「ちょっと、モップ貸して!」と言いたくなる状態。

ヨーロッパ最大の移民国・フランスは、
みなさん、色々と「気にしな〜い」人たちみたい。
最初は「なんで?なんで??なんで??!」の連続だったのに、
滞在するうちに、少しずつ慣れてきた。

日本の都市では、「清潔」は普通にある。
「靴を脱いで部屋に入る」習慣の日本と
「ずっと靴をはきっぱなし」な国とでは、
床に対して、気になる感覚が違いすぎるのかもしれない。

そして珈琲は、というと、吹き出しそうに、ま・ず・い!
「豆、貸して! 私が淹れましょう!」と
叫びたいところだらけ」だらけだった。
観察していると、ランチもティータイムも
テーブルで飲まれているのは、たいてい
「ボトルワイン」か「大きめのグラスビール」。
オフィス街で昼前にカフェの前を通りかかると
スーツ姿のムッシュがテラス席でビールを飲んでいて、
午後3時過ぎに通りかかると、今度はワインを飲んでいる。
いつ働いているのだろう、取材したくなってしまった。

パリ9区の宿に向かって歩いていると、
酒屋さんの前で、1.98ユーロ(フルボトルで250円!)のワインを発見。
「ワインが水より安い国」というけれど、
いったいどんな味なんだろう!! 
好奇心でレジに持っていったら、
たぶん同世代のムッシュに、繁々と見つめられた。

「…おいマダム、ワインは本当に好きか?」と聞かれ、
「ええ、とっても」と答えると、

「だったらやめとけ!こんなのワインじゃないよ、マダム!
 なあ、もっとおいしいワイン飲もう!
 だいたい、こんなスクリューキャップなんてダメだよ、
 コルクあけて飲むのがワインだぜ!」

多分こんな感じのことを力説されて、棚に連れて行かれ
別のワイン(5ユーロ)を買うことになった。

…フランス語は全然わからないからほぼ妄想だが、
身振り手振りで力説してくれるムッシュの、
ワインの国を代表するかのような熱意に負けてしまった。

料理用だったのか、水より安かったあのワイン、
一体、どんな味だったんだろう?
両方買っておけばよかった、と思いつつ、
ムッシュおすすめのロゼワインは、確かに美味しかった!

いつのまにか、だんだん居心地がよくなっている、
他人に全く関心がなさそうなのに、
でも誰でも居場所がありそうな…
パリって、不思議な街だ。

※文:真柴マキ(FB公開のパリ旅メモをもとに執筆)