HTML

組立通信 Contents Site

届けるコトバ、感じるコトバ。

組立通信は、企業様やブランドのファンづくり、コミュニケーションを目的としたコンテンツマーケティングを手掛けております。
シズル感バリバリの広告や、タレントを起用したコンテンツのディレクションは、得意ではありません。
コトバやイラスト、キャラクターを使った「ゆるい」「かわいい」「笑ってしまった」コミュニケーションの設計を得意としています。
このサイトでは、過去にメディアに掲載した記名読み物、刺激を受けたこと、取材メモ、マーケティングや取材メモなどを公開しています。
コミュニケーションの主役は、ブランドやキャラクターです。組立通信は、それを支える裏方の存在でありたい。
そんな思いから、クライアントの企業名やブランド名は、出さずに記載しております。
仕事例の詳細につきましては、個別にお問い合わせくださいませ。

※ただいまコンテンツ移転中につき、時系列に矛盾がある場合がございます。ご了承ください。

過去に手掛けた自社出版物
キュッと曲がって90度!~関西オノマトペ用例集~
ペンギンの飼い方

ノンフィクションの本づくり

手を出せない分野の一つに
ノンフィクションの本づくりがある。

お話には「型」がある。
主役がいて脇役がいて、数々の敵や試練があり、「葛藤」する。
艱難辛苦を乗り越えていつしか成長していく主役、
というのがだいたい基本の「型」となる。
乗り越えるべき敵や試練が
不況や病気や災害や死…なら、書ける。
でも「人」の場合は難しい。
実在する〇〇さんを敵として書くのだから。

どんな人だって悪い顔も持っているし、
何にフォーカスするかで、悪役と主役は入れ替わる。
実社会には「変な人」や「嫌な奴」はいても、
「悪い人」や「ひどい奴」って、そういない。
黒い社会に属しているなら別だけれど
「見るからに悪人」もそういない。

ただ、人は自分で思っているほど
いい人ではない場合が多い。
その「いい人ではない」一面を
あぶりだして書くのだ。
いきなり誰かの脇役にされて
「名誉棄損」と憤ることもあるだろう。
人は、他人が思っている以上に
自分には値打ちがあると思っているから。

ドキュメンタリーやノンフィクションを手掛けている、
優秀なジャーナリストや作家さんには
「人生をかけて書いている」覚悟、
伝える覚悟というのがある(あってほしい!)。
生身の人間を取材して、見て感じたことを構成して、
多数の人に読まれる「本にする」という行為の怖さを
実感した瞬間、書くことが怖くなった。
仕事の場合、発注者があるので、ハンドリングもできない。

取材した人を「敵」として
世に出す勇気はとてもなく、
毒を抜いてしまった。
でも、敵が登場しないお話なんて、成りたたない。
小学生が夏休みに書かされる、何も起こらない日の日記みたいに。

ノンフィクションを得意とする所は他に沢山ある。
組立通信は別の分野で、
あたたかいコンテンツを手掛けよう、
心を込めて作って、世に送りだそう、と思い至った。

ところでアニメの番組には、主役と仲間たちが
超悪役の敵と激しい戦いを繰り広げて
成長していく話が多い。
偶然観てはまったのが、
テレビアニメ「はたらく細胞」
(原作/講談社「月刊少年シリウス」連載、清水茜さん著)

舞台は人の体内、主役は酸素を運ぶ赤血球の新人女子。
「白血球さん」や仲間の細胞たちに助けられながら
細菌や花粉、ウィルスなど「徹底的に悪役」の
強敵と戦うはめになる。
このお話、本当によくできている。
子供のころに観ていたら
別の道に進んでいたかも…

思いっきり楽しんで演じている声優さんたちの
仕事っぷりもバシバシ伝わってきて、
毎回気持ちよく観ていた。
敵を書くなら、こんな敵がいい。


※(文/ 真柴 マキ)

地獄の民法学習記 ~すごいぞ「ナニワ金融道」!~

ある時期、資格試験の学校に通っていた。
その大半を「民法」が占めていて、
これが本当にクセ者で、ひたすら泣かされた。

日本語とはとても思えない。何を書いてあるのか、わからない!
「もっとわかるようにリライトして!」と
投げ出したくなるほど、判例は、全然読めない。
普段本当に「コトバを扱う仕事」をしているのだろうか、と
学びのコツがつかめず、入り口でつまずいた。
「漫画でわかる民法」を本屋さんで見つけて、
いっそ本当に漫画なら理解できるのでは、と
漫画の「ナニワ金融道」を入手してみた。

余談だが、子供の頃はなぜか世間に
「漫画を読んではいけません」という風潮があふれていた。
「バカになる」「家では漫画禁止!」という
漫画を敵視する教育方針の親が多い中、
両親はそろって漫画好きで
子供が買ってくる新刊を楽しみに読んでいた。
同級生に、この家はどうして漫画が禁止じゃないの、と尋ねられた母は
「本も漫画もテレビも映画も、見てはいけないものはない」
「大切なのは中身よ」と答えていた。

そして読み始めた「ナニワ金融道」。
きれい…とはとても言えない絵柄、コテコテの大阪弁、
怪しい金融業、キンピカのバブル、ヤクザにチンピラ、
だまされる善人、場末の風俗業、転落していく女性…と、
オンパレードな世界観!





面白い、というか「すごい」漫画だ。
15歳以上にしか勧められない世界。
人々が翻弄されていく、えげつなーい事件たち。
善意無過失、要素の錯誤、同時履行の抗弁権、
あんなに馴染めなかった民法の言葉が
だんだん理解できるようになっていた。

民法って、もっと早くに知って
「法律的に」考える習慣ができれば、
無駄なもめ事はずいぶん減るだろう…と思うほど。

こちらは勉強中、同じく重宝した本↓
「ナニワ金融道 カネと非情の法律講座 」

この「ナニワ金融道」、
長く住んでいた、大阪市の北区がよく出てくる。
西天満の裁判所、北区役所、
見覚えのあるマンションなどを見つけるのも楽しかった。
撮影した写真をそのまま絵にしたような、
細かく描き込まれた背景。
看板の中身まで気になって読んでしまって、血の気が引いた。

「誇大広告社」、「ホテル地獄宿」、
「吸血ファイナンス」、「へんこ寿司」、
「ミス赤貝」、「値切海上保険」、「夜鷹荘」、
「水増総合病院」、「ビジネスホテル カラ出張」…

こんな街、怖すぎるぅ~! 

※ 文:真柴マキ
(注:上記のような看板のある場所は、ほとんどが「ミナミ」です。念のため。)

パリの空の下、カフェでお茶、する?

パリの街は、見上げれば、本当に美しい。
建物と木と空、どこを切り取っても、実に絵になる。




…でも、ぼんやり歩いてると「突然の不幸」に見舞われる。
下を見れば、ポイ捨て、吸い殻、犬のフンだらけだ。
パリに来るまでは、雑誌やテレビでよく目にするように
「カフェで道行く人を見ながらお茶」が目的のひとつだったのに、
石畳に投げ捨てられたもの、近くの軒先に置かれた大きなゴミ箱、
煙草の煙、そして猛烈な排気ガスが気になって、
テラス席には座る気にもならなかった。
店内はというと「ちょっと、モップ貸して!」と言いたくなる状態。

ヨーロッパ最大の移民国・フランスは、
みなさん、色々と「気にしな〜い」人たちみたい。
最初は「なんで?なんで??なんで??!」の連続だったのに、
滞在するうちに、少しずつ慣れてきた。

日本の都市では、「清潔」は普通にある。
「靴を脱いで部屋に入る」習慣の日本と
「ずっと靴をはきっぱなし」な国とでは、
床に対して、気になる感覚が違いすぎるのかもしれない。

そして珈琲は、というと、吹き出しそうに、ま・ず・い!
「豆、貸して! 私が淹れましょう!」と
叫びたいところだらけ」だらけだった。
観察していると、ランチもティータイムも
テーブルで飲まれているのは、たいてい
「ボトルワイン」か「大きめのグラスビール」。
オフィス街で昼前にカフェの前を通りかかると
スーツ姿のムッシュがテラス席でビールを飲んでいて、
午後3時過ぎに通りかかると、今度はワインを飲んでいる。
いつ働いているのだろう、取材したくなってしまった。

パリ9区の宿に向かって歩いていると、
酒屋さんの前で、1.98ユーロ(フルボトルで250円!)のワインを発見。
「ワインが水より安い国」というけれど、
いったいどんな味なんだろう!! 
好奇心でレジに持っていったら、
たぶん同世代のムッシュに、繁々と見つめられた。

「…おいマダム、ワインは本当に好きか?」と聞かれ、
「ええ、とっても」と答えると、

「だったらやめとけ!こんなのワインじゃないよ、マダム!
 なあ、もっとおいしいワイン飲もう!
 だいたい、こんなスクリューキャップなんてダメだよ、
 コルクあけて飲むのがワインだぜ!」

多分こんな感じのことを力説されて、棚に連れて行かれ
別のワイン(5ユーロ)を買うことになった。

…フランス語は全然わからないからほぼ妄想だが、
身振り手振りで力説してくれるムッシュの、
ワインの国を代表するかのような熱意に負けてしまった。

料理用だったのか、水より安かったあのワイン、
一体、どんな味だったんだろう?
両方買っておけばよかった、と思いつつ、
ムッシュおすすめのロゼワインは、確かに美味しかった!

いつのまにか、だんだん居心地がよくなっている、
他人に全く関心がなさそうなのに、
でも誰でも居場所がありそうな…
パリって、不思議な街だ。

※文:真柴マキ(FB公開のパリ旅メモをもとに執筆)