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プロモーションとデザインの役割


●反響の責任は誰にあるの?

 昔は、制作業のクライアントさんと言えば、ほとんどが広告代理店でした。事業サイズが様々な今、どんな規模の企業さんが何の相談に来られるか、予測できないところがあります。

そんな中よく聞く言葉が「デザイナーにお金払ったけど、全然やったわ」。

「全然やった」原因には、だいたい三つの共通点があります。
  ・圧倒的なコミュニケーション不足
  ・遠慮のしすぎ 
  ・デザイナーの仕事を知らなすぎ

 業界のことも自社のこともほとんど知らないクリエイターに「丸投げ」して、「最高の出来」なんて、発注側の予想が甘すぎます。まして商品やサービスへの思い入れは、四六時中自社商品のことを考えているクライアントさんに及ぶはずがありません。

  デザイナーは誰かが企画しディレクションしたものに基づいて「デザインすること」が仕事です。「どう売るか」は本来クライアントかプランナーが考えるべき仕事。 この区別がわかっていないと、デザイナーに多くを求めすぎる傾向になります。


  とはいえ、私もデザインやコピーの発注をするときは、悩みます。
 同業者であるゆえに、「これぐらいは読み取ってよ」とか「考えてよ」とか、勝手に期待をしてがっかりすることもちょくちょくあります。打ち合わせに時間をかけず、ほとんどなにも聞かれずデザインが上がってきたときは、手を抜かれているようでがっかりします。

相手はプロだから… なんて遠慮をしないことです。
会話を重ねた分だけ、クライアントさんのカラーに合ったものが上がってくるはずですから。



●「売るための方法」プロモーション

 先にも述べましたが、「ものを売るノウハウ」「お客さんを集めるノウハウ」はデザインとは別の次元のものです。(マーケッターやプランナーの存在はほとんど一般にはでないので、全てがデザイナーの仕事と誤解されることがありますが…。)

 広告代理店に発注経験がある方はご存じのことですが、マーケティング・プロモーションはチームプレイなのです。マーケッターや企画プランナーやディレクターがいて、課題整理し道を決める。コピーライターやデザイナーが実制作をする。効果的なセールスプロモーション(SP)はチームで練り上げるものなのです。

 私もインハウスデザイナーだったころ、出入りしている代理店の「マーケ」や「SP」「企画部」の部署の人たちが実際何をする人なのか、よくわかっていませんでした。

  買いたいと思う。思ったときに手が届くところに商品がある。これが販売促進=プロモーションの目的です。そして、誰にどこで何を売る?を調べるのは、マーケティングの仕事です。マーケティングは机の上のアイデアではなくて、現場を見ることで生まれます。

販促=プロモーションってつまり、
買っていただくためのコミュニケーション活動です。


 でも、チームプレイはお金がかかるのです。関わる人数の人件費だけでも、潤沢な予算のない企業は大変です。広告にどれぐらいお金が動くかも、業界人とは大きな差がありますよね。

だから、「自社で考える」。 それを渡して、
「客観的に整理してもらい」、「自社で作っていく」。


 制作者には「自分で商売して稼いだ経験」はほとんどないのです。制作スタッフがどれだけがんばっても、「ものを売る」のは商いをする本人にしかできない行為なのです。
 現場を知らない他人に「全部任せる」からお金もかかるし(みんな人件費がベースなので)、結果に目くじらも立てたくなる。

 発注しても、しっかり自分なりに考えてみる。それが堅実で納得のいくクリエイティブの発注だと思います。何も言わずにあがってきたものを見て話を始めるのって、遠回りだと思いませんか?

 


誰に向けたコミュニケーション?何が必要? が決まると、

  さて、どんな言葉で伝えよう? どんな見せ方をしよう?
  何と組み合わせよう? どんな色味がブランディングイメージ?

  売るためには魅力を伝える工夫が必要。知ってもらうにも、工夫が必要です。その伝えるための紙のツールが、商業デザイン(グラフィックデザイン)です。ゴールにたどり着くように視覚的に編集し、レイアウトするのは商業デザイナーの役割です。

  「デザインなんて、関係ないで」。
 そう言われると私はこう答えます。

  でも、これ「伝える」以前に「読む気になる?」
 「買う」以前に「目にとまる?」


●デザインは感覚だけの仕事じゃない

  デザインやレイアウトには心理学や色彩学、人間工学もからんで、ほんとに奥深い世界なのです。デザインの「一瞬の見た目」を嫌われたら、ちっとも読んでもらえませんし、らしい色を使わなければ、商品のイメージが伝わりません。 

 一行のセールスコピーの入れ方、読みやすい字間や行間。
 文字のボリューム。色の設計。
 それを計算するのがデザイナーの仕事です。

  色彩は知識で設計するものだし、文章ひとつをとっても行間や漢字かなカタカナの比率で軽さや重さやきちんと感、ラフ感を訴求したりします。

  三次元と二次元という違いはあっても、グラフィックデザインも設計なのです。

 

 

それにしても、宣伝広告の世界でいろんな業界のいろんな企業に関わり、いろんな経験をさせていただきました。お取引いただいた経営者の方々に、深く感謝いたします。

(真柴マキは2006年までプロモーションデザインと広告コピーを中心に活動していました。このページは、組立通信の前身「えでぃでざいん」のホームページ2004年版で人気だったページをリライトして掲載しています。)


 

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